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2008年8月 2日 (土)

ルパン三世長編小説「炎のたからもの」第24回

(31)

ルパンの変装がばれる2日前。

こちらは海賊船の船底。船はすでにイスタンブールに到着していた。明日早朝には、どうやら積荷は別々のルートでどこかへ運ばれていくらしい。

結局、二人は無人島へ連れ去られることはなかった。だが、このままでは陸地で同じような目にあうことになりそうだ。身代わりの二人の海賊に猿轡をかませ、暗がりに鎖で縛りつけたまま、これからの作戦を練る次元と五エ門。

「ルパンと連絡が取れねえなら、、金塊の行く先を俺たちで突き止める以外にねえな。」

「しかしどうやって320トンもの金の延べ棒を、あのポッドに納めるのだ。」

「人目につく場所じゃねえってことは確かだな。この船じゃ無理だ。その前に、俺たちの身代わりがばれるのは時間の問題だぜ。」

「いい方法がある。」

夜半に甲板から人が飛び込む音がした。見張りの男がサーチライトをつけて確かめる。五エ門と次元の姿が波間に浮かび上がった。

銃弾が打ち込まれる音。波間に沈んでいく二人の死体。

実はそれは毛布にくるんだ衣類だった。鎖に縛りつけていた男たちを酒樽につめ、すでに二人はそいつらに化けて、一味になりすましていた。

翌朝、荷の積み込みを手伝うふりをして、こっそりと積荷の行き先を確かめた。そして人ごみにまぎれてうまく船を脱出した。

ルパンと奥歯の連絡網が通じたのはその2日後だった。

(32)

夜半、サンタマリア号の甲板で海賊と盗賊は対峙していた。

ニップル伯爵の部屋のドアに挟まれていた偽の不二子の伝言メモで、ルパンはおびきだされてしまった。不二子の筆跡と通信文に使う秘密の暗号を、この海賊はいつのまにか不二子同様に使いこなしていたのだ。

月明かりに照らされて、21本のマストと何百の帆げたがくっきりと映し出されている。船尾や船内には催しや宴があるため、真夜中というのに、大勢の人がざわめいている。この船は不夜城なのだ。

だが、船の先端部分にあたる操舵室のあたりは一般の客は立ち入り禁止になっている。ここだけ明かりが落とされ、付近を航行する船舶が見えやすいように配慮されている。

ほかに誰もいない静かな甲板で、不敵に笑う二人のライバル。

「とうとうやったな、コソ泥め。ずいぶん時間がかかったようだが。」

「あんたこそ、うわさほどじゃないな、あんな下手クソな変装に引っかかるようじゃ。」

「お前がどれほどの男だろうと、盗っ人は盗っ人、所詮誰かのモノマネでしかない。その見事な盗術も、先代から受け継いだかぶりものだ。俺は自らの手で掘り出し、奪い取り、取引して欲しい物を手に入れてきた。誰の力も借りずにな。」

「俺は盗っ人だ。だが、お前みたいな人でなしじゃない。クラリスのような清らかな魂を持った女を騙したり、傷つけたりしない。」

「人のものを盗むお前が、心を盗むことはできないと言うのか。」

「誰だろうと、人の心を盗んだりはできない。自分の心は自分自身のものだ。」

「クラリスは俺を受け入れてくれた。」

「彼女の心は彼女のものだ、自由にしてやれ。」

「俺は愛する者には容赦しない、全てを奪い取る。」

「なら、お前には渡さない。」

「お前には大事なものを渡してやろう、あれを見ろ。」

ふと見ると、船首マストの上から3番目の帆げたに何かがぶら下がっている。暗くてよく分からないが、人の影のように見える。

じっと見つめるルパンにはやがて正体が分かった。

ぶら下がっているのは不二子だった。手錠1本で帆げたに括り付けられていた。眠らされているのか身動き一つしない。

「あの手錠はお前にやったのと同じ。下手に動くと、簡単に外れる仕掛けだ。」

十数メートル下の甲板に叩きつけられる像が脳裏に焼きついた。

「外れるまでに、俺と勝負しろ。」

懐へ手をかけるルパン。

「おっと、ここは洋上だ。そんなものをぶっ放せば、他の乗客がどうなるか分かってるな。」

「武器はなんだ。」

控えていた部下に持ち込まれる種々多様な武器。大昔の海賊が使うサーベルのような刀。サバイバルナイフ、ジャックナイフ、弓矢、フェンシング用の先が針のような剣。日本刀まである。およそ拳銃以外のすべての刃物が並べられた。

「選べ。」

ルパンはその中から小ぶりのジャックナイフを3本選んだ。着ていたジャケットを脱ぎ捨て、ホルスターと銃を脇へほうり投げると、2本を両手に持ち、1本を口にくわえて身構えた。

敵はもちろんフェンシング用の剣1本を拾い上げると、ルパンに背を向けてすたすたと向こうへ歩く。

奇妙な決闘だった。15世紀の海賊のような格好をしたマクベスと、シフォンのドレスを着た、顔だけ男のルパンがそれぞれ武器を持って向かい合う、まるで喜劇のひと幕だ。

最初の一撃を放ったのはマクベスだった。突いては引き、引いては突く。彼はその道では一流の使い手だ。

それをすばしこい動きでうけとめるルパン。しかし短い短剣では、懐に飛び込む以外に勝ち目はなさそうだ。

甲板をじわじわと追いつめられるルパン。短剣で受けきれないソードの穂先を避けて、何度もアクロバティックに回転し、後退する。それでもマクベスの先の細いソードの先が目にもとまらぬ速さで動き、頬をかすめる。ルパンの頬に細く赤い線がいく筋もにじむ。

ついに甲板の中央の壁際まで追いつめられた。

実は計算どおりだ。これ以上下がれない位置まで来た時、ルパンは持っていた短剣をマクベスに向かって投げた。左1本は空を切り、マクベスが避けている隙に壁の反対側に回って、右1本を壁に向かって突きたてた。

肉は切れていなかったが、それはマクベスのシャツを完全に壁につなぎとめていた。

口にくわえていた最後のナイフでとどめをさそうとするルパン。

「女が死ぬぞ!」

マクベスが叫ぶ。

帆げたに吊り下げられた不二子がフワリと動いた。風が出てきたのだ。

「どうする、そのナイフで俺を殺すか、縄を解いてあの女を救うか。」

敵が言い終わるまでに靴を脱ぎ、潰していたハイヒールの底を向けてスプレーの目潰しを吹きかけた。敵がひるんでいる隙に軽々と甲板を走り抜ける。

船首マストにサルのようにするするとよじ登る。不二子はぐったりと帆げたにぶら下がっている。手錠のかかっている場所までは2~3メートル。はだしになって腕の太さの帆げたをゆっくりとわたる。

手錠のかかっている所にとりついて慎重に外そうとする。彼にとってそれほど難しくはない、、、、

はずだった。手をかけた瞬間、手錠はするりと外れた。

あっという間に不二子の体は宙に舞い、20メートルはあるかと思われる高さから真っ逆さまに落ちた。鈍い音がして、手足が飛び散り、頭が外れた。

またもや、ダミー人形だった。

「同じ手に2度も引っかかるとは、ルパン三世も形無しだな。」

同じように船首マストに登ってきたマクベスがすぐそばで言った。ルパンの胸の中で、安堵と悔しさが交錯した。

マクベスは間髪を入れず、剣を喉元に突きつける。

「だがもう、こんなゲームは終わりにしよう、俺には大仕事が待っている。お前にかかずらっているのも今夜で終わりだ。さよなら、ルパン三世。」

振り下ろした剣の切っ先は、ルパンの体のどこかを突いた。しかし致命傷ではなかった。

彼は足の下にあった帆げたに瞬時に両腕でつかまり、体操の選手のように1回転すると、その下の帆げたに落ちるようにしてつかまった。そして同じように1回転した後、その勢いで暗い海へ飛び込んだ。

ザブリとひとつ音がしたかと思うと、しばらくしてもう一つ。

静かな夜の海に、二つ大きな波紋ができた。

誰もそのあとを見る者はいなかった、マクベスさえも。ただ一人の男を除いては。

次回に続く。

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