ルパン三世長編小説第3弾「見果てぬ夢」 (26)
(26) カジノサバイバル(ルパンには恋を、銭形には?)
カジノの絢爛豪華な個室。今はテーブル席に移り、カードにうち興じる銭形とジョアン。
すでに手持ちの金は10万ドルを超えた。
一晩でここまで稼げる客はそう多くない。周りにはすでに見物人がたかり始め、5人のカード客の周りには、一人ひとりにファッションモデルと見まがうようなホステスや、愛人の風情した女が腕を絡ませている。
ゲームはもちろんポーカーだ。
ポーカーフェイスにはほど遠いあんぐり口した銭形の耳に、ジョアンが何ごとかを囁く。
「あと2枚。」
銭形の持ち札を予想して、しばらく勝負師たちは腹を探り合う。
賭け金がそれぞれ前に積まれた。銭形がストレートフラッシュで勝負を決め、周りからため息が上がる。
「私はもう降りる。」
隣の席にいたゴージャスな背広を着た、太った男が葉巻をくわえながら席を立った。
入れ替わりに黒髪で、数本の金色に染めた前髪をまばらに垂らし、涼しい瞳、黒いあごひげを蓄えた背の高いイケ面男がその席についた。
日本で今ブレイクしている人気グループ「猜疑心」の人気歌手の一人にそっくりな彼。アメリカでも人気なのか、数人のドレス姿の女性たちが歓声をあげながら彼の周りを取り囲んだ。
「ロックで。」
酒を注文するや否や、彼はダイナマイトボディの体の線を見せつけ、淡いピンクのドレスを纏った小柄な連れの女の手を取り、隣の席に座らせた。
彼女の頬に軽くキスする。周りの女たちは一様にがっかり、といった顔でそばを離れた。
「もう一枚ね。」
「私も。」
再びテーブルにカードが配られ始めた。
カレンはジョアンにそっと目配せする。だが、ジョアンは気づかない。まさかこんな所で姉に会うとは夢にも思っていないのだろう。
ルパンに合図するつもりで、そっとハイヒールのつま先で彼の足を触った。会話で銭形の気を引いて欲しいのだ。
「初めまして。僕、日本から来た神路と言います、よろしく。」
「ああ、日本の方ね。」
銭形はカードの組み合わせを思案している風で、こっちに関心がなさそうだ。
「あの、おたく日本の有名な警部さんに似てるって言われません?」
「ああ、僕よく言われるんだなア。」
「(ボクってツラかい。)もしかして、あの有名なルパン三世を追ってる、、、。」
「追ってる?」
「毛利小五郎さんて言いましたっけ、、。」
「ありゃ探偵だ、ボクは銭、イタッ!!!」
隣に座ってるジョアンが銭形の足をハイヒールの踵で踏みつけた。
「どうしました?」
「ダーリン。」
ジョアンが銭形の額をせわしなく拭く。
「、、、リアのレストランで修行しましてな。」
「ああ、フレンチのシェフね。」
「いや、そっちは趣味でして。今は日本の企業戦士ですわ。不況の煽りを食って今は海外研修の身です。」
「大変ですね今はどこも。で、ルパン三世なんかを捕まえる暇はない。」
「あんた、何でその泥棒の名を知ってる?」
「噂ですよ、CIAの美人エージェントを誘拐して逃げている怪盗。」
「じつは私、その泥棒を捕まえる、、。」
ジョアンは勢いよく隣に並んだ脛を蹴り上げた。
「いってえ!」
蹴り上げたものは銭形の脛ではなく、向かいにいるギャング風の男の股間だった。ふんぞり返っていたその男が飛び上がって、テーブルの上にあったものが飛び散った。
「何しやがんでえ!」
男たちがその場をとりなし、女たちはテーブルからこぼれた酒や飲み物で汚れたドレスを拭いて席を立った。
その喧騒の中、絶妙のタイミングでカレンは妹を賭博場から連れ出した。
次回に続く。
ありがとうございます。このブログへのアクセス数が2万を超えました。
最終回にはまだあと39回(最終回は第65章を予定しています。)ありますのでどこまでいけるんだろな、、。
このブログを訪れてくれる方に「面白かった、続きを読みたい。」と思っていただけるようにしたいですね。お一人でも楽しんでくださったら、あまりアクセス数なんかにこだわらないことにしようかな。
ありがとね、一人で2万回もアクセスしてくれた君。、、、たったひとりだとしても感謝です。君のためにこれからも真心込めて書くかんな。
蛇足:この小説を完成した頃は「羞恥心」はまだ解散していませんでした。もちろんアメリカの大統領はオバマさんと決まってなかった。少々ネタは古いですけどそれなりに笑えたかな?
アクセス2万回を記念して、今REDが特別企画を考えてます。乞うご期待!
次回、ま~た会おうぜ。
P.S 今知りました。「羞恥心」は復活するそうです。
ウソだろ、と「猜疑心」に満ちたあなたはニュースを見るべし!
紳助さん、どうせなら限定復活なんて言わないで3人が爺さんになるまでこのユニット応援してやってよ。カミジ君もツルノ君も、ノクボ君も解散なんかすんなよ。
「神路」のあとは「鶴野」を登場させて、このルパン小説でもっと宣伝しちゃうぜ。
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